ファリャ、「代官と粉屋の女房」「ヒターノ気質」
Manuel de Falla(マヌエル・デ・ファリャ)(1876生1946没)はスペインのクラシックの作曲家。 ”El Sombrero de tres picos”「三角帽子」と ”El Amor Brujo”「恋は魔術師」の二大傑作でよく知られる。…今日は「代官と粉屋の女房」と「ヒターノ気質」とピアノ独奏曲について書きます。ピアノ曲はともかく、他は何それ?っていう人は続きを読んでみてください。
- アーティスト: Federico García Lorca,Manuel de Falla,Josep Pons,Ginesa Ortega,Teatre Lliure Chamber Orchestra
- 出版社/メーカー: Harmonia Mundi Fr.
- 発売日: 2005/10/11
- メディア: CD
- この商品を含むブログを見る
De Falla: El Amor Brujo . El Retablo de Maese Pedro . Fantasia Baetica
- アーティスト: Manuel de Falla,Jean-Francois Heisser,Orchestre Poitou-Charentes,Antonia Contreras,Chantal Perraud,Jerome Correas,Eric Huchet
- 出版社/メーカー: Mirare
- 発売日: 2010/03/02
- メディア: CD
- この商品を含むブログを見る
リストに挙げたのは、El Sombrero de tres picos(三角帽子)の初演版であるEl corregidor y la molinera Cuadro「代官と粉屋の女房」、El Amor Brujo「恋は魔術師」の初演版であるGitanería「ヒターノ気質」「ヒタネリア」(録音の表記は恋は魔術師のままだけれど)、ピアノ曲集のみっつ。「ヒカーノ気質」って書いていたのは間違い。写し間違いだったみたいです。
「代官と粉屋の女房」
「代官と粉屋の女房」は上の試聴リンクから始まります。ここ重要です。フルート(ピッコロ持ち替え)、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、トランペット、ピアノ、メゾソプラノが各1名、弦五部はベース以外2名という室内楽編成。
ここで重要なのは、ティンパニやらカスタネットやらの打楽器を含まないということで、じゃあ「三角帽子」のあの有名な序奏の部分はどうしたんだというと、序奏部分は「代官と粉屋の女房」の時はまだ無いのである。びっくりですね。三角帽子 (ファリャ) - Wikipedia
「ヒターノ気質」
「ヒターノ気質」はさらに小編成で、フルート、オーボエ、ホルン、トランペット、ピアノ、ヴィオラ、チェロ、ベース、メゾ・ソプラノまたはアルトが各1名。リストに挙げた録音は、聴いた限りではこの編成に沿っているようだ(弦は二人にしているかも)。
では、このような小編成では迫力に欠けたりするのかというと、とんでもない。逆にギラギラしていてもの凄く楽しいのだ。弦パートが少ないせいで重音を鳴らす時とか、特にギラっとする感じ。そういう意味で、「ヒターノ気質」のほうがより楽しい。クラシックでなくラテンの棚に置いてある曲っぽくも聴こえる。 恋は魔術師 - Wikipedia
ファリャのピアノ曲
リストに挙げた三枚目はピアノ曲。ファリャにピアノ曲は意外に少なくて、編曲物を除くと一枚に収まってしまう程度だが、中身は濃いと思う。スペイン的情緒はアルベニスや他の作曲家よりも濃厚で、でもフランス的というか近代的なというか新しい和音の感覚も他の作曲家よりも鋭敏なんだ。
演奏者のEsteban Sanchez(エステバン・サンチェス)(1934〜1978)はスペインのENSAYO(エンサヨ)レーベルにアルベニスやトゥリーナ等の録音が僅かにある程度だけれど、どれもアリシア・デ・ラローチャに匹敵する演奏だと思う。ちょとだけ沈んだ感じ。手の小さいラローチャと違って、いざとなればチカラが入るし。
関連記事