How My Heart Sings

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ファリャ、チェンバロ協奏曲と「ペドロ親方の人形芝居」

チェンバロ協奏曲

ファリャのチェンバロ協奏曲は、通常のファリャに対するイメージを打ち破るような曲です。実際このアルバムだと、ヴィクトリア・ロス・アンヘレスがオーケストラ伴奏で歌う野性的な”Seven Spanish Popular Songs”の後にこの曲が入っているので、何が始まったんだ?!みたいな。

Siete Canciones Populares Espanolas / Harpsichord

Siete Canciones Populares Espanolas / Harpsichord

 

 

Seven Spanish Popular Songs: VII. Polo

Seven Spanish Popular Songs: VII. Polo

  • ヴィクトリア・デ・ロス・アンへレス, Orquestra de Cambra Teatre Lliure & Josep Pons
  • クラシック
  • ¥150

 

Harpsichord Concerto: I. Allegro

Harpsichord Concerto: I. Allegro

  • Lluís Vidal, Orquestra de Cambra Teatre Lliurex & Josep Pons
  • クラシック
  • ¥150

検索してみると、ストラヴィンスキーの影響を受けた新古典主義的な曲であるとのことで、なるほど「プルチネッラ」に似た雰囲気も感じる。「プルチネッラ」は元ネタの曲の絡みもあって柔らかな雰囲気があるけれど、こちらは非常に固茹でな雰囲気。ウィキペディアにはこの曲が作曲された経緯に関する闇の深い話しが書いてあって、必読。クラヴサン協奏曲 (ファリャ) - Wikipedia

以下は、当時の自分のツイッター

youtube に動画があったので、リンクを貼っておきます。結構演奏が難しそうですね。

www.youtube.com

ペドロ親方の人形芝居

チェンバロ協奏曲を聴いた流れで、iTunesライブラリの「ファリャ」のところを眺めていてジャケットが目にとまった ”El Retablo de Maese Pedro”「ペドロ親方の人形芝居」というオペラを聴きました。いや、この曲も編成にチェンバロが入っているので、無関係なわけでは…

登場人物は人形劇の座長ペドロ親方と、ドン・キホーテとその従者の三人だけ。劇中劇として、宮廷からお姫様が誘拐され、救出される、みたいな人形劇が組込まれています。最後は人形劇の内容に怒ったドン・キホーテが、舞台をめちゃくちゃにして終了します。

De Falla: El Amor Brujo, L'amour sorcier

De Falla: El Amor Brujo, L'amour sorcier

  • Orchestre Poitou-Charentes, Antonia Contreras, Jean-François Heisser, Eric Huchet & Jérôme Corréas
  • クラシック
  • ¥1650

 

El Retablo de Maese Pedro: La Sinfonía de Maese Pedro

El Retablo de Maese Pedro: La Sinfonía de Maese Pedro

  • Orchestre Poitou-Charentes, Eric Huchet, Jean-François Heisser & Chantal Perraud
  • クラシック
  • ¥200

 

El Amor Brujo, Cuadro Segundo: VI. Conjuro Para Reconquistar el Amor Perdido

El Amor Brujo, Cuadro Segundo: VI. Conjuro Para Reconquistar el Amor Perdido

  • Orchestre Poitou-Charentes, Antonia Contreras & Jean-François Heisser
  • クラシック
  • ¥200

ファリャの「ペドロ親方の人形芝居」は18世紀以来忘れ去られていた楽器であるクラヴサンチェンバロ)を、現代オーケストラで使用した初の例であるそうです。曲はとても面白くて、ファリャの他の有名曲「恋は魔術師」「三角帽子」にも劣らないのですが、肝心のチェンバロは録音を聴いていてもほぼ聴こえません。

試しにYOUTUBEで検索してみると、一時間弱の舞台が丸ごと公開されていました。劇場オフィシャルのようです。曲自体は30分弱程度なのですが、舞台では人形劇が始まるまで延々ドン・キホーテが喋り続けるために、こんなに長い。オーケストラがピットでなく舞台の上で弾いているので、様子もばっちり分ります。チェンバロはどうでしょうか…休みが多いみたい。そしてやっぱり全然聴こえない。

舞台そのものはとても面白かったです。登場人物三人は、人形劇が始まるまでは役者さんが、始まってからは歌手さんが演じていました。スペイン語はまったく分らないのでアレですが、そもそもお話しが単純ぽいなので、楽しめたと思います。演奏はOrquesta de Cámara del Auditorio de Zaragozaの…良く見ると”Concierto en Familia 2010"って書いて有りました。なるほど、自分でも楽しめたわけですね。そういや、従者役の人の客弄りで人形劇の観客として舞台に上げられてたお客さんも、二組とも子連れでした。オチの演出がある意味、秀逸だったので最後まで見ると良いと思います。自分は、何じゃそりゃー!って思いました。


"El Retablo de Maese Pedro" / Juan José Olives · OCAZEnigma

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