エルネスト・レクオーナ、バンドマスターにしてクラシック作曲家
Ernesto Lecuona、エルネスト・レクオーナ(1896年〜1963年)はキューバ生れのバンドマスターにしてクラシックの作曲家。世界的成功を収めたレクオーナ・キューバン・ボーイズのバンマスとしての名声の影に隠れているけれど、自身の作曲の師は同じくキューバ出身の作曲家でフランスのスコラ・カントルムで学んだJoaquín Nin y Castellanos、ホアキン・ニンなので、何の問題も無くクラシック作曲家である。キューバ革命後は革命政府と馴染めず、キューバを去った。
バンドマスターとして
1930年代から、世界中をレクオーナ・キューバン・ボーイズと共に演奏旅行を行い大好評を得る。遠い余波が、1946年結成の「東京キューバンボーイズ」の名前にまで届くほど。レクオーナ・キューバン・ボーイズのアルバムは録音が古いので、Stanley Black Orchestraのアルバムが音が良くて聴きやすいかも。東京キューバンボーイズのアルバムも良く雰囲気が出てる。
The Stanley Black Orchestra
The Stanley Black Orchestra あるいは Stanley Black & His Orchestra によるレクオーナ録音の集成。さっきも書いたけれど、録音が新しいので聴きやすい。
表記が安定しないけれど、まあ大まかに同じ団体なんだろう。初期の録音は1950年代からあるみたい。クラシックの側に入れれば良かったかも。
東京キューバンボーイズ
東京キューバンボーイズは1949年結成。Youtube は、1953年、新倉美子主演の映画「青春ジャズ娘」の一場面です。当時はマンボでも何でも一緒くたに「ジャズ」と呼んでいたそうです。
クラシックの作曲家として
キューバのリズムを取り入れたピアノ曲、ピアノ協奏曲、管弦楽曲にサルスエラ(オペラみたいなもの)まである。立派にクラシックの作曲家であると言える。
ピアノ曲
BISレーベルからは全五枚のシリーズが出ている。ピアニストの腕前も良く、作曲者の腕前もまた良く、曲は派手で力強くて明るくて開放的で親しみやすくて、そりゃ大衆迎合っぽい感じがするときもあるけど、どれも聴き応えがある。ピアノの技巧はとても派手で、難しそうだ。
Youtube の動画はまた別のピアニストだけれど、これを聴いて快哉を叫ばない人が居るだろうか?
管弦楽曲
クラシックのオーケストラが演奏しているからといってこちら、クラシック側に持ってきたけれど、さきほど紹介した Stanley Black & His Orchestra が演奏していた内容と何も変らない。内容は、大変に聴きやすく大衆受けするものだと思う。
オペラ
"María la O" はエルネスト・レクオーナ作曲のサルスエラ。サルスエラと言って、大まかにスペイン風オペラ、音楽ドラマと言ったら良いかな…
Youtube に、Lecuona Cuban BoysがMaría la Oを演奏した動画があったので、リンクしておきます。うーむ、クラシック音楽のほうに分類してみたけれど、iTunes Store の言う通り「スペイン語ポップ」だね。
まとめ
途中まで書いていて、クラシック側だ何だと分類しているのがバカらしくなってしまったな。見事な管弦楽の扱いといい、大衆受けする楽想といい、素晴しいとしか言いようがない。
スペインでファリャ以降の凄いヤツは、キューバに居たのだな。
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