フランシスコ・ミニョーネ、ブラジル風ワルツ
Francisco Mignone、フランシスコ・ミニョーネ(1897〜1986)はイタリア系移民の子で、ブラジルの作曲家。ヴィラ=ロボスよりちょうど10才年下、ガーシュインより1才年上。地元サンパウロ音楽院を経て、イタリアへ留学しミラノ音楽院卒。大変な多作家でオペラやバレエ曲まで様々な曲を書いている。特にピアノ曲が有名で、ブラジルのワルツ王 ”Rei da valsa” と呼ばれるんだそうです。
なお記事の終わりのほうで、ミニョーネのワルツ王以外の顔も紹介します。
Valsas Brasileiras
ピアノで
このアルバムは全二巻、「Valsa de Esquina、街角のワルツ」「Valsa Chôro、ヴァルサ・ショーロ」などと並んで有名な「Valsa Brasileira、ヴァルサ・ブラジレイラ」全曲が収録されている。「ブラジル風ワルツ」って訳しても良いのかな?
全24曲、二分から五分程度の長さで、全て調性が記されている。ワルツのリズムで、密かにあるいはあからさまに中南米の香り。華やかさより泣きの要素が強いかな。旋律は分りやすく叙情的で、かつ安易に流れず格調を保ち、実に素晴しい出来です。
以下は、この作曲家を知るきっかけとなったサイトで、他の中南米の作曲家についても膨大な情報量を誇ります。ぜひ、リンクを辿ってみてください。中南米ピアノ音楽研究所
フランシスコ・ミニョーネの「ブラジル風ワルツ」、Youtubeにあった動画にリンクしておきます。特に一つめはミニョーネ夫人の Maria Josephina Mignone による演奏です。
ヴィオラで
フランシスコ・ミニョーネの「ブラジル風ワルツ第1番」、ヴィオラとピアノで演奏しているものです。iTunes Store にこれと同様にヴィオラとピアノで演奏したものがあったので、作曲者自身による編曲なのかも知れません。
いずれにせよ、深々としたヴィオラの音色は曲想と非常に合っていて、大変良いと思います。
Valsa De Esquina、Valsa Chôro
フランシスコ・ミニョーネには、"Valsas Brasileiras" 以外にも "Valsa De Esquina" "Valsa Chôro" といった佳曲がたくさんあります。一つめの動画はさきほどと同様にミニョーネ夫人の Maria Josephina Mignone による演奏。二つめは Olinda Allessandrini という人の演奏です。この人は、中南米の音楽の録音で良く名前が出てきます。
Sonatina
ここまで、ミニョーネの曲を聴いてきてどう感じたでしょうか?二十世紀に入ってから作曲されたにしては、少々時代錯誤なワルツばかり…などとは思いませんでしたか?では、ちょっと毛色の変ったものを紹介しますね。というか、これらの曲をどう紹介して良いものやら。後で紹介する「ピアノソナタ」のほうは単純に書けるのだけれど、こちらは作曲の意図がはっきりしないというか?技術的には簡単らしいんですが。
フランシスコ・ミニョーネの「ソナチナ」は全部で四つ、1949年に集中して作曲されています。自分の手元には「ソナチナ第4番」がありました。6分程度の短かい曲です。Youube には第3番が無いみたいです。
何だろう、ドビュッシーに足すことのブラジルの風味?とか?そんな感じ?悪い印象は無いんだけど、分りやすいわけでも無いかも。
Sonata
フランシスコ・ミニョーネの「ソナタ」もまた全部で四つ。こちらには「ソナチナ」よりさらに固茹でな、二十世紀の作曲家ミニョーネの姿があります。一つめが「ピアノソナタ第1番」二つめが「ピアノソナタ第4番」です。Youtube にはソナタ第2番、ソナタ第3番もあったんですけど、音が酷かったので止めておきました。
なお、別に若い頃は前衛的だったとかではなく、これら「ピアノソナタ」と「ブラジル風ワルツ」等は同時期に作曲されています。そう考えると、急に闇が深くなったような気がします…
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