How My Heart Sings

ななほし、やほし、こころほし。

Re: 暴れん坊少納言、一体誰なんだ…

何か「暴れん坊少納言」の記事が当社比で良く読まれているので、検索してみたら、今無料で公開中なのな。どことは言わないが(気に入らないので)。

violinhi.hatenablog.com

 今日現在無料で公開中の「ひた隠せ若さまかせの初作品」でも触れられているが、枕草子春はあけぼのって、こう、ズバっという感じが良いのだ。当時の他の文学の、大和言葉のぐねぐねうにょうにょぬるぬるとろとろどこが区切りかどこで終るのかどこに着地するのか分らんような文章と比較して、夏は夜秋はゆうぐれ冬はつとめてって、こう、快刀乱麻なところが。

ここからネタバレ。

この話しのひとつ前、「同人の 元をただせば十世紀」から始まった紫式部との確執というか何というかが描かれる「ひた隠せ若さまかせの初作品」は、まさに清少納言の美点について触れた内容。当時大流行していた紫式部の「源氏物語」に対抗してみたは良いが付け焼刃でまるでダメだったのを、橘則光のはげましや中宮定子の手助けによって「枕草子」の出出しを思い付く、というもの。いつもの傍若無人ぶりから足を踏み外し、他人の真似をして酷い出来の物語を書いてしまう清少納言、そんな彼女にさらなる不幸が。そしてそこからの逆転劇。…別に逆転はしていないな。復活劇が正しい。

まあ、清少納言紫式部は同い年でもないし、枕草子のほうが源氏物語より早く成立しているんですが、そこはお話しなので。

ともあれ、この作品が新たに多くの人に読まれる機会を得たことを、とても嬉しく思う。