エディ・ハリス、変なサックス吹き
まずはふたつのアルバムジャケットを見て欲しい。一枚目、満面の笑みのエディ・ハリス本人と、右手に持っているランプがぴかぴか光っている変な機械と、サックスへ向けて伸びているコードを。二枚目、彼はサックス吹きのはずだが、持っているのはどう見てもトランペットだ。これは一体、どういうことなのか。
- アーティスト: エディ・ハリス,ジョディ・クリスチャン,ルイス・スピアーズ,ビリー・ハート,フェリックス・ヘンリー
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2014/02/26
- メディア: CD
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Plug Me In
一枚目、”Plug Me In” のジャケットに見えるのはセルマー社が開発したヴァリトーン(varitone)というもので、サックスのネック部分にピックアップを付け、アンプを通して変調させたりエフェクターのオクターバーやコーラスのようなことができるそうだ。エディ・ハリスが使っていたあの「ヴァリト-ン」とは? - Yahoo!知恵袋やTHE中古楽器屋/楽器買取りと販売|秘蔵楽器“蔵出し”徹底解説に、本当に詳細に書かれているので、ぜひ参照して欲しい。
…実際の音を聴いてみると、少くともこの録音における効果はびみょうな感じというかそれほどでもという感じなんだけど、リンク先を読んでみると、けっこう効果があるそうな。うーん、このアルバムでは、ほんのちょっと効いているくらいなんですけどね。
Free Speech
二枚目、"Free Speech" のジャケットに見えるのは「サックスのリードを無理矢理くっつけたトランペット」なのだそうだ。この録音においてエディ・ハリスが出す音色は何ともつかぬ、ピロピロピーピーいう変な感じのもので、おまけに曲によっては変に空間的なエフェクトがかかっているし。ヴィブラートをかけている部分はサックスっぽいんだけど…
全トラックとも凄く変な音がしているので、自分は、一枚目の”Plug Me In”じゃなくこっちのほうこそエフェクターをかましているのだと思っていた。いや、こっちでもどっちも明らかに使っているけど。実際のところサックスのリードを付けた効果がどれほどあったのかは、何とも言い難いですねぇ。
まとめ
…エディ・ハリスは、ジョン・コルトレーンやらエリック・ドルフィーやらとはまったく違って、緩いノリだし新しもの好きで妙な楽器を使うし変な音を出すけれど、根が明るくて大好きな奏者だ。というか、ジャズ・サックス奏者の中で私的ランキング一位だ(次点はローランド・カーク、時々点はマイケル・ブレッカーな。)