How My Heart Sings

ななほし、やほし、こころほし。

ヤン・パネンカとミハイル・プレトニョフのベートーヴェン「ピアノ協奏曲」

ひとつ前の記事で、チェコのスーク・トリオのチェリスト、ヨゼフ・フッフロが弾いたベートーヴェン「チェロ・ソナタ全集」について書いたけれど、今回はスーク・トリオからもう一人、ピアニストのヤン・パネンカが弾いたベートーヴェン「ピアノ協奏曲全集」について。

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ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集

 

ヤン・パネンカによる、ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集。ひとつ前のエントリで書いたヨゼフ・フッフロと比べると、多少なりともソリストっぽさのある独奏だと感じる。といって、大見得を切るわけでもなくて、地味なのは一緒。でも聴くからに誠実そう。地味といったって、技巧的にも解釈的にも何ら問題無い高度な出来上がりだし。バックを務めるスメターチェク/プラハ交響楽団も同様の印象です。

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集

 

ヤン・パネンカの誠実な演奏と対比するのに、この人の演奏が一番奇を衒ってて誠意が無さそうで良いかなと思って…こちらは、同じくベートーヴェンのピアノ協奏曲全集、ミハイル・プレトニョフの演奏。楽器は珍しくブリュートナー(Blüthner)を使用。あ、最近はカワイを使っているようですね。

この演奏は、ブリュートナーのピアノらしい高音域でターボの効いた妙に響きの豊かな音といい、つるぅりぬるぅりとしたコンピュータグラフィックスっぽいなめらか過ぎる動きがキモい感じの超絶技巧といい、ケレン味しか無いまである。どんな形の音でもどんな色の音でもどんな大きさの音でも出せるのは分ったから、もう少し落ち着いて弾いたらどうなんですかね…

ちなみに、ブリュートナーというピアノが何故高音域で響きが豊かなのかは、ブリュートナー - Wikipediaを参照のこと。