ハイドンのピアノソナタ。アンドラーシュ・シフとグレン・グールド
グレン・グールドのハイドン
グレン・グールドによる演奏。発売当時、音楽雑誌では「グールドは他の奏者が知らない、高みへ通じる道を知っている」とか何とか、めちゃくちゃ褒めちぎられてた記憶がある。これより後にハイドンのピアノソナタを録音したアンドラーシュ・シフは、自身の録音の解説でグールドの演奏に対して「こんなのハイドンじゃねぇ」と怒り狂ってた。確か名指しで批判していたような。
自分はこっちのほうを先に聴いてるので、そんなこと言われても困る部分はある。グールドの演奏自体は、とても楽しく聴けます。様式感みたいな観点から正しい演奏か、といったらどうかな。
アンドラーシュ・シフのハイドン
アンドラーシュ・シフによるハイドンの鍵盤楽器のためのソナタ集。ピアノはベーゼンドルファーを使用。ベーゼンドルファーの木質で重心の低い音色を堪能できる。
妙な部分強調の無い素直な演奏。多分グレン・グールドの、前後の文脈を無視して虫めがねで好き勝手に重要でも無い部分を拡大して見せるそのやり方が、アンドラーシュ・シフはイヤなんだと思う。…と当時は思ったけれどこの人の他の演奏を聴いていくと、この人はこの人で独自研究っぽいところがある気がする。自分の研究結果と違うのがイヤだったのかも。