How My Heart Sings

ななほし、やほし、こころほし。

過去記事の紹介、中南米のクラシック音楽について

今回紹介する過去記事はどちらも、中南米の「クラシック音楽」です。

中南米クラシック音楽といって、どのようなイメージが浮びますか?器楽奏者ならたくさん思い浮びます。キューバ出身のホルヘ・ボレットとか、チリ出身のクラウディオ・アラウとか、アルゼンチン出身マルタ・アルゲリッチとか。周辺地域の出身で、欧州では既に失なわれた伝統を保持している人。(アルゲリッチは別だけど)作曲家だとちょっと少ないかな。例えばブラジルのヴィラ=ロボスとかが思い浮びます。

今回紹介するのは、ブラジルの「ワルツ王」フランシスコ・ミニョーネと、レクオーナキューバン・ボーイズで有名なエルネスト・レクオーナです。二人とも、二十世紀直前の生れで、同世代です。ヴィラ=ロボスよりは10才ほど年下です。

フランシスコ・ミニョーネ

フランシスコ・ミニョーネはイタリアからの移民の子孫。この人はピアノ曲の「街角のワルツ」 で少し話題になったと記憶しています。

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試しに動画を観てください。一つめは「ブラジル風ワルツ」、二つめは「フランス風タンゴ」演奏者はフランシスコ・ミニョーネ夫人の Maria Josephina Mignone です。夫の曲の普及に努めておられるのだそうです。

甘やかな旋律、でも高雅で品を失なわない。中南米ショパンというと、日本ではエルネスト・ナザレーという人がそう呼ばれているようですが、自分はこのフランシスコ・ミニョーネこそそう呼ばれるべきだと思っています。基本的に上品でサロン音楽っぽいので。

これでショパンの「スケルツォ」みたいな曲があれば、掛け値無しで二十世紀のショパンで通るのですが、フランシスコ・ミニョーネでそれに該当する曲というとシェーンベルクばりの無調の曲とかになってしまうのが惜しいな…

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エルネスト・レクオーナ

さきほど書いた通り、エルネスト・レクオーナはマンボとかラテン音楽のバンド「レクオーナキューバン・ボーイズ」のバンドマスターとしてのほうが有名だと思います。地元のみならず北米で、世界中で大ヒットしたそうです。日本でもそのこだま、1949年結成の「東京キューバンボーイズ」っていうのがあります。

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動画を見て、雰囲気を掴んでみてください。…ただのマンボとかルンバとかそういうヤツだろうって?いやまあ、そりゃあそうなんですけどね。でも、二つめの動画だったらどうでしょう。アルベニスグラナドス、ファリャの系譜に連なる、聴き映えのするピアノ曲だと思いませんか。

自分は、エルネスト・レクオーナスペイン語圏で、ファリャ以降で最も重要な作曲家だと思っています。作曲の腕も、スペインっぽさも、大衆受けする楽想も。スペイン本国生れじゃないキューバ生れだけれど、大まかにスペイン語圏ですし。ポピュラー音楽のジャンルでの活躍が、クラシック音楽の世界での評価を妨げているのだと思っています。

興味を持たれた方はぜひ、記事を読み、動画を観てください。

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