二本のトロンボーンが寄り添うジャズ ”The Great Kai & J.J.”
カイ・ウィンディング(Kai Winding)とJ.J. ジョンソン(J.J. Johnson)、二人のトロンボーン奏者が共にソロを取るアルバム ”The Great Kai & J.J.” を聴いています。この二人は良く共演しているんだそうですね。
THE GREAT KAI & J.J.
- アーティスト: J.J. JOHNSON / KAI WINDING
- 出版社/メーカー: AMERICAN JAZZ CLASSICS
- 発売日: 2015/12/23
- メディア: CD
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Wikipediaの受け売りですが…ビッグバンド時代には花形楽器だったというトロンボーンがその後のジャズの様式変化に伴って没落していったのは、素早い細かい動きが苦手だったからだそうです。マウスピース+管を延したり縮めたりすることで音程を決めているから、キチキチ正確な動作が無理なのな。…わかるわ。
J.J.ジョンソンはそうした欠点を感じさせない凄い演奏をする驚異の人だそうですが、あくまで「ほぼ」であって、何かちょーっと角が丸いよねーびみょーだよねーって瞬間もけっこうあって私、気になります。劣化トランペットみたいな。こんなことを書くとトロンボーン奏者の人に怒られそうだけど、身に合わないことをしている感じ。豆腐の角が、刺身の角が丸い感じ。
…それと、J.J.ジョンソンのアルバムは何枚か持っているけれど、感心はしてもそこから先はあんまり。このアルバムを買ったのは、一時期ジャズのアルバムを手当たり次第に大人買いしていたときに、なんとなくです。
これはアルバムジャケットの通り、また ”The Great Kai & J.J.” のアルバムタイトルの通り、カイ・ウィンディングとJ.J. ジョンソンのトロンボーン二本でソロを取っています。二人が並んでいっしょに吹くと、ふっくら柔らかく共鳴してとても気持ち良い感じ。ちょっとばかり音程が甘くても角が崩れていてもあまり気になりません。おおらかな気分になるな。
調べてみると、トロンボーン二本というのはけっこう録音があって、定番の編成なのですね。もっと増えて三本で、というのもありました。トロンボーンでジャズというと、こういう方向のほうが合っているのだなと思いました。
Trombone By Three
これはアルバムタイトルの通り、トロンボーン三人がソロを取ります。面子は先程の J.J. Johnson と Kai Winding 、さらにもう一人 Bennie Green が参加ししています。修道士のような格好の三人ですが、手にトロンボーンを持っていますね。
さて久し振りに聴きつつ内容を紹介…って、三人一緒に弾いてるトラックがないじゃないですか!酷いや…今思い出しましたけど、これを買って最初に聴いたときも同じ状況でした。
- アーティスト: J.J. Johnson,Kai Winding,Benny Green
- 出版社/メーカー: Ojc
- 発売日: 1991/07/01
- メディア: CD
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Bone appétit
これだけだとアレなので、二本のトロンボーンがソロを取るアルバムをもう一枚、紹介します。さきほども出てきた Kai Winding と、もう一人の大物ジャズ・トロンボニスト Curtis Fuller の組み合わせです。
カイ・ウィンディングとJ.J. ジョンソンのアルバムはやや冷たい感触があったりしてモダンな印象を受けましたが、こちらは雰囲気が違ってもっと熱い感じがします。 ”THE GREAT KAI & J.J.” だって充分に楽し気ですけど、 ”Bone appétit” は前向きというか前のめりな感じ。二人とも、バリバリ大きな音で吹いているので、そういう印象を受けるのかも。