How My Heart Sings

ななほし、やほし、こころほし。

プーランク「ぞうのババール」をいくつも

ぞうのババール」 ”Histoire de Babar” はフランスの絵本作家ジャン・ド・ブリュノフ(Jean de Brunhoff)によって1931年に発表された絵本。これを元にフランシス・プーランクが1945年に作曲したのが、ピアノと語り手による「小象ババールの物語」 ”L'histoire de Babar, le petit éléphant” 。プーランクとブリュノフは友人同士で、「小象ババールの物語」の台本はブリュノフが書いた。

自分のiTunesライブラリを見てみると、そこそこたくさんあった。語り手が子供か大人か、男性か女性か、伴奏はピアノ版かオーケストラ版か。けっこう雰囲気が異なってくるな。

忌野清志郎(語り)高橋アキ(ピアノ)

ぞうのババール

ぞうのババール

 

元の絵本もこの表紙で出ている。大変可愛らしいですね…この表紙で、どうして語り手に忌野清志郎を選んだんだろう?正直、絵面とぜんぜん合ってないよね?話題性はあるかも知れんけどね。忌野清志郎の語りは、凄いオフ気味だし発音が明瞭なわけでもないのでアレだけどね。味はあると言えなくもないかも知れないけどね。

 岸田今日子(語り)舘野泉(ピアノ)

プーランク:ぞうのババール

プーランク:ぞうのババール

 

 舘野泉は右手を故障する前。岸田今日子の語りはさすがの巧さ。忌野清志郎の語りを聴いた後だと余計に…日本語で聴くのなら、これが良いと思う。筋を追いやすいしね。

 男の子(語り)アレクサンドル・タロー(ピアノ)

Integrale De La Musiq

Integrale De La Musiq

 

 

 画像は「プーランク室内楽全集」。このなかの一枚として「ぞうのババール」が入っています。語りはフランス語話者の男の子。

アレクサンドル・タローのピアノがそりゃあもう凄くて、凄い描写力なんです。このナクソスから出ている「プーランク室内楽全集」は当時のフランス人若手奏者によって固められているんだけれど、そのなかでもアレクサンドル・タローのピアノは全編に渡って要所を締める活躍振りです。この演奏を聴いたら、誰もが「このピアノ、凄くね?」と思うはず。…って、アマゾンでは全然星が付いてないな。…えー。

 Peter Alexander Ustinov(語り)プレトール/パリ音楽院管弦楽団

プーランク:小象ババールのお話し、典型的動物

プーランク:小象ババールのお話し、典型的動物

 

 語り手は大人の男性。ジョルジュ・プレトール指揮、パリ音楽院管弦楽団の伴奏による。管弦楽伴奏版はプーランクの了承を得た上で、ジャン・フランセが行ったもの。

元のピアノ伴奏版でも凄い描写力なのに、ジャン・フランセが編曲した管弦楽伴奏版はオーケストレーションが上手すぎて、ちょっとやりすぎなくらいの表現力。

原作について

ぞうのババール―こどものころのおはなし (評論社の児童図書館・絵本の部屋―ぞうのババール 1)

ぞうのババール―こどものころのおはなし (評論社の児童図書館・絵本の部屋―ぞうのババール 1)

 

 忌野清志郎のアルバムと同じじゃないけど、同系統の表紙です。絵も、プーランクの曲も可愛いよねーと思っていたら、ババール - Wikipediaであらすじを読むと、ちょっとアレな雰囲気が…うーむ。