How My Heart Sings

ななほし、やほし、こころほし。

エフゲニー・キーシンのショパンは重い子

今日紹介するアルバムは、ロシアを代表するピアニスト、エフゲニー・キーシン(1971〜)がRCAレーベルに録音したショパンの集成、五枚組みです。で、今回のタイトルなんですけど…このアルバム、五枚組みという量以上に、内容が重い…

重いショパン演奏とは:エフゲニー・キーシン

キーシン・プレイズ・ショパン~RCA Red Seal全ショパン録音集成

キーシン・プレイズ・ショパン~RCA Red Seal全ショパン録音集成

 

 

Ballade No. 1, Op. 23

Ballade No. 1, Op. 23

  • Evgeny Kissin
  • クラシック
  • ¥200

 

Polonaise in A-Flat Major, Op. 53

Polonaise in A-Flat Major, Op. 53

  • Evgeny Kissin
  • クラシック
  • ¥200

 いや、凄い演奏なのはその通りなんだよ?テクニックは文句の付けようがないし、解釈は隅々まで自信に満ち溢れてるし、打鍵は深々としていてピアノは芯まで鳴りきって凄い響くし、どの曲も表情付けが濃厚極まるし、さすが「鋼のような」「重戦車のような」とか形容されるロシア楽派の王道を行くピアニストですね圧倒的です。圧倒的過ぎる。過剰である。やりすぎ。うるさいんで止めてください。八割くらいのちからでお願いします。

いや別にちゃんとピアニッシモにしてないとかそういう訳じゃないんですけどね…キーシン、君ちょっと静かにしてくれないですか…ということで、自分にとっては曲によっては立派過ぎ、大柄過ぎ、筋肉質過ぎ、濃厚過ぎる。「バラード」とか「ポロネーズ」辺りが特に重い子で、ちょっと引く。ショパンなんだからさー、もうちょと儚い感じというかさー。体力余りまくってる感じなのがさー。背筋伸びすぎー。

重いショパン演奏とは:遠藤郁子編

ショパン序破急幻

ショパン序破急幻

 

 ショパンで重い子といって思い出したけど、遠藤郁子の演奏も重いですね。この「ショパン 序破急幻」は「バラード」全曲と、間に「夜想曲」が何曲か入ったアルバムです。ピアノはヤマハを使用。

ジャケットとか見るだけでもう、重い子って分っちゃいますね。でも、この人は情念的にはラスボス級に重いけど(だから熱心なファンが付くんだけど)、そんな体力が無いしタッチもそれほど深くないので、総合的にはキーシンより重くないのです。

ちなみに、最近の遠藤郁子さんはちからが抜けて良い感じになってきたみたいです。2008年録音の「ショパン ノクターン音霊の詩」は「夜想曲 全集」です。ピアノはカワイを使用。重心が下って暗い感じに聴こえるのはカワイを使っているからかも…って、アマゾンに無いじゃん。あれあれ?タワーレコードも取り扱い終了、山野楽器も販売終了だ。廃盤になってるやん。バカなの?死ぬの?これ、凄い名演奏やよ?めっちゃ自然にルバートしててさ。