How My Heart Sings

ななほし、やほし、こころほし。

ショスタコーヴィッチのジャズ・アルバム

今回紹介するアルバムは、ドミートリイ・ドミートリエヴィチ・ショスタコーヴィチ(1906〜1975)の作曲したジャズの曲を集めたものです。演奏はリッカルド・シャイーロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団リッカルド・シャイーはわりとこういう変なものを演奏しますね。

ショスタコーヴィチ「ジャズ・アルバム」

この「ショスタコーヴィチ ジャズ・アルバム」は「ジャズ組曲第1番」「ピアノ協奏曲第1番」「ジャズ組曲第2番」「タヒチトロット」の四曲を収録しています。途中の「ピアノ協奏曲第1番(ピアノ、トランペットと弦楽合奏のための)」はジャズとは関係無いっぽい。あーでも第4楽章とかそれっぽい箇所があるかも。

でも他の曲は…ジャズです。だって曲名が「ジャズ組曲第1番」「ジャズ組曲第2番」ってなってるし。中身はジャズというかダンス音楽というか不思議な…長島温泉の演芸舞台でバンドが演奏している感じの曲です。ここではリーダーはコンマスじゃなくてバンマスと呼ばれるべき。

Shostakovich: The Jazz Album

Shostakovich: The Jazz Album

 

ウィキペディアによると「ソビエト・ジャズ委員会に所属していたショスタコーヴィチが、ソ連におけるジャズの普及、およびバンドの向上を目的として作曲。」したそうな。うーむ。 

いやでもしかし…曲のタイトルにワルツだのポルカだのフォックストロットだの付いてるし、微妙…ジャズというよりキャバレー音楽っぽい感じ。こんな曲を書いてソヴィエト共産党の当局から「退廃音楽だ」とか言われなかったのか?大丈夫かこれ?てゆーか、リッカルド・シャイーロイヤル・コンセルトヘボウにこんな曲を弾かせるとわ…

サンプルの「ジャズ組曲第1番」の第3楽章、「フォックストロット」を聴いてみて欲しい。編成に「ハワイアン・ギター」とか入ってて笑える。ちょう効果的。って試聴サンプルで聴ける範囲では弾いていないな。買うべき。

ところで、ハワイアン・ギターって何だ、という話しなんですが。多分、リゾネーター・ギターのことなのではないかな、と思います。これはエレキギター以前の試みとして、ギターの音量を上げるために、駒の下に金属製の共鳴板を付けたものです。金気のある音がします。

リゾネーター・ギター画像

ショスタコーヴィチ「ジャズ組曲」の動画

やはり全曲を聴いて欲しいので Youtube でみつけた「ジャズ組曲第1番」の第3楽章、「フォックストロット」を貼っておきます。これは音だけですけど、1:30辺りからハワイアン・ギターが華麗なソロを聴かせてくれます。

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二つめはコンサートの動画で、「ジャズ組曲第1番」全曲です。音を外しているのか楽器間のバランスが悪いだけなのか分りませんけど、ちょっとツラい感じの演奏だ…曲のイメージは掴めるかな。

この動画はカメラが固定になっていておまけに右にズレていて、全楽器が見えていなくてツラい。サムネイルの左隅にバンジョーが写っていますね。6:00辺りから「ハワイアン・ギター」のソロなんだけど、左隅のバンジョーが弾いているんじゃないっぽいです。

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三つめの動画はショスタコーヴィチ「ジャズ組曲第2番」から「ワルツ」です。まあ、ジャズって感じではないですけど、曲自体は楽しいものです。楽器編成がそれほど変でないせいか、「ジャズ組曲第1番」より「ジャズ組曲第2番」のほうがたくさんみつかりました。

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まとめ

自分は、ショスタコーヴィチの音楽は正直きついなあと思っているんだけれど、こういうユーモアがあるというかアホな曲なら聴けるかなと思う。中学生のころは、交響曲第5番「革命」とか交響曲第14番「死者のための抒情詩」とか弦楽四重奏曲第8番とかを聴いて感動していたけれど、今はもう、むーりぃ、ですよ。重すぎです。